4.岡 崎

21.三河の木綿と俄か分限のこと

綿の実 文禄2年(1593)の秋、ただいま額田屋の店から出た念誓に「土呂の町が商いで賑わっている要因は?」と尋ねれば、 ――それは第一に楽市楽座の制であろう。 という答えが返ってくるに違いない。 ——株座が仕切ることなく、儂のような年寄りが合議し…

20.還暦前の供養と功徳のこと

西尾城 文禄2年(1593)、家康は九州肥前の名護屋城にいる。手代頭の槙六郎左衛門が ――今年はいずれへ。 と問うたのは、茶壺を江戸に送るか名護屋城に詰めている家康の許へか、という意味である。 念誓がやや思案の末に ――どちらにも。 と言ったのは、…

19.土呂の楽市楽座のこと

この史譚は歴史的事実を踏まえつつ、推測と想像を交えて書いています。想像をお楽しみください。 楽市楽座:NHK for School 念誓の下には、世の動きにかかる様ざまな情報が入ってくる。まずは年に1度、茶壷道中で江戸に出た額田屋の者の土産話がある。ある…

18.赤坂陣屋と中泉御殿のこと

中泉御殿跡(御殿遺跡公園:磐田市) 徳川家が関八州に転出したあと、岡崎城には田中久兵衛吉政が5万7400石で入った。田中のほか吉田城は池田輝政が15万2千石、浜松城は堀尾吉晴が12万石、掛川城は山内一豊が5万1千石、駿府城は中村一氏が14万…

17.東海甲信5国の知行割のこと

この史譚は歴史的事実を踏まえつつ、推測と想像を交えて書いています。ご一緒に想像しながらお楽しみください。 織田信雄画像(総見寺蔵) 念誓が「雌伏十年……」と呟いたのは、単なる常套句であって、これより10年のちに起こった関ヶ原合戦を見通していた…

16.貫で流通した永楽銭のこと

筆者から:この史譚は歴史的事実を踏まえつつ、推測と想像を交えて書いています。小説らしからぬ創作ですので、すべてを事実と誤解なきようにお願いします。 銭の貫;市場では97文か98文が「100文」だった 武州江戸に退転する動きが始まり、岡崎城下…

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