5.後継者

27.幻の「松平家由緒伝」のこと

辻説法跡:本興寺(鎌倉市大町) 田村甚介に額田屋身代預けのことを伝えたあと、念誓が始めたのは、父親常から聞かされていたことを伝え残すことだった。清と名付けた幼児が成人するころ、間違いなく自分はこの世から去っている、という思いに突き動かされた…

26.「額田屋」の身代預けのこと

この史譚は歴史的事実を踏まえつつ、推測と想像を交えて書いています。 豪商渡邊家の屋敷:重要文化財(山形県関川村) 慶長2年(1597)の正月、おこうが産んだ男児は数えで3歳になった。赤子の死亡率が現代からは想像できないほど高かった。ヨチヨチ…

25.還暦で迎えた若い後妻のこと

鶴松丸は1歳2か月で亡くなった(豊臣鶴松画像:妙心寺蔵) 筆者が想像(妄想)するに、念誓がおこう(於紅)を「お手付き女中」に済ますことなく、後妻に迎えることを決意したのは、文禄3年(1594)の夏ごろではなかったか。おこうの腹に子が出来たこ…

24.神から紅へ、おこうのこと

この史譚は歴史的事実を踏まえつつ、推測と想像を交えて書いています。 『剣客商売』第3シリーズの1場面 現時点での中心人物は松平念誓(清蔵親宅)だが、そろそろ本編の中心人物となるはずの松平清左衛門(親正)が登場する準備をしなければならない。 松…

23.前渡し金は銭50貫文のこと

鎧下着:白平絹地経文日輪仏像模様(東京国立博物館) 念誓がかねてから目を付けていたのは、神部甚介という者である。特段に親しくはないが、市場で顔を合わせれば、時候の挨拶を交わし戯言で笑うぐらいはする。 かつて大草松平家が支配していた大草郷、そ…

22.守護使不入と在地領主のこと

戦国乱世でも守護使不入を堅持した鶴岡八幡宮:鎌倉市 念誓が還暦を前に知己めぐりを始めたのは、古くからの昵懇者にそれとなく今生の別れをしておきたい、という思いからだった。そのうち念誓が考えるようになったのは、 ――あとつぎ。 ということである。 …

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